「早押しクイズ」の英語における表現について
- 琉寧 中津川
- 2018年10月8日
- 読了時間: 3分
一応意見はしたのですが反映されなかったようなので、一応ここに書き留めておこうと思います。
①Fastest Finger Firstというフレーズについて
“Fastest Finger First”という言葉はもともとクイズ番組Who Wants to Be a Millionaire?の予選ラウンドの名前として使われていたようです。これはいわゆる早押しクイズではなく、4つの選択肢をならべかえる速さを競う形式のようです。動画はこちら(ナイジェリア版)
また、Google Trendsで調べてみたところ、2017年7月に一気に検索数が増えていますが、アニメ『ナナマルサンバツ』の英題になったことによるものでしょう。地域別にみるとインドが圧倒的に多くなっていますが、これはKaun Banega Crorepati(インド版Who Wants to Be a Millionaire?)でもこのラウンド名が使われているためだと思われます。
まとめると、“Fastest Finger First”は
①「ミリオネア」における選択肢並べ替えクイズ
②アニメ『ナナマルサンバツ』の英題
という2つの意味があるわけですが、残念ながらいわゆる「早押しクイズ」の意味は含まれず、英語圏の人たちには意味が伝わらないでしょう。(そもそも『ナナマルサンバツ』の訳としても微妙な気がしますね...)「ミリオネア」を知っている人ならば、「“Fastest-Finger-First-Quiz League”ということは、あの並べ替え問題をひたすらやるリーグなのか...不思議だなあ...」といった感想を持つかもしれません。
また、Twitterでこの言葉を検索してみると、商品などの宣伝とともに使われることが多いことに気がつきました。どうやら「早い者勝ち」といった意味もあるようです。
②欧米には「早押しクイズ」を意味する言葉がないのか
とのツイートがありましたが、(たしかに1語ではないのですが)「早押しクイズ」に相当する言葉はあります。“buzzer quiz”と“buzzer-style quiz”です。
英語圏で早押しといえば“buzzer”という単語なしには語れません。Jeopardy!もquizbowlもUniversity Challengeも全部buzzerを使ったクイズです。特にUniversity ChallengeでJeremy Paxmanが最初に言うセリフ“Fingers on buzzers, here's your first starter for ten.”はあまりにも有名です。“buzzer”と”quiz”の2単語で十分通じるはずです。
実際にTwitterで”buzzer quiz”を検索してみると
Ich bin immer noch für ein Buzzer-Quiz im TV, bei dem die Kandidaten gegeneinander antreten (Andreas K. Westermeier)←すいませんドイツ語読めません
may pasok kahapon, may whole day event ngayon, tapos may buzzer quiz and exam bukas. saya noh? (Tiffany Marcayda)←すいませんタガログ語よめません
”buzzer-style quiz”で検索してみるとこちらやこちらがヒットします。こちらの記事でも本文5行目に“a buzzer-style quiz”という記述があります。IGBでも“buzzer-style quiz questions”とあります(この場合、buzzer-styleがquizにかかっているのかquestionsにかかっているのかわからないのでなんとも言えない部分ではありますが)。
ながながと書いてきましたが、要するに言いたいことは「Fastest Finger Firstじゃなにも伝わらない」ということとと「Buzzer Quiz Leagueで良くね?」ということです。仲間内で使う分には仲間がわかる用語を使えば良いのですが、せっかく英語で書くのならば英語圏の人たちに伝わる用語を使うべきでしょう。以上です。
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